2-1.USBオーディオのデータ処理
2-1-1.音声データ処理の仕組み(Windows)
OSには、音声データのミキシング、音量調整、リサンプリングなどをおこなうための機能が用意されています。
再生ソフトウェアやUSBオーディオ機器が同じでも、どのように処理されるかによって音質が変化します。
再生ソフトウェアやUSBオーディオ機器が同じでも、どのように処理されるかによって音質が変化します。
Windows標準では、オーディオエンジン(カーネルミキサー)が音声データの集約処理をおこなっています。
ゲームやOSの警告音など、さまざまなソフトウェアから出力される音声は、サンプリングレート・ビットレートが同一になるように変換がおこなわれ、ミキシングされます。これにより複数の音声データを同時に再生することができますが、PCオーディオではこの処理が音質に影響を与えているとされています。
ゲームやOSの警告音など、さまざまなソフトウェアから出力される音声は、サンプリングレート・ビットレートが同一になるように変換がおこなわれ、ミキシングされます。これにより複数の音声データを同時に再生することができますが、PCオーディオではこの処理が音質に影響を与えているとされています。
WASAPI(排他モード)でオーディオエンジンを経由せずに転送
オーディオエンジンによる音質劣化を回避する手段として、WASAPIの排他モードを利用する方法がよく用いられます。このモードではオーディオデータに手を加えず、オーディオエンジンをバイパスして直接読み込みをおこないます。このモードを利用するためには、OSのバージョンと再生ソフトの両方が対応している必要があります。
【OS】
- ●Windows 8/7/Vista (SP1以降)
WASAPIに対応しています。
WASAPIには共有モードと排他モードがあります。共有モードはオーディオエンジンを経由し、排他モードは経由せずにデータ転送をおこないます。共有モードの音声データ処理は、カーネルミキサーを引き継ぐもので、音質向上は見込めません。オーディオエンジンはユーザーモードで動作します。音声処理で問題が発生しても、別のアプリケーションやシステムには影響ありません。 - ●Windows XP
WASAPIには対応していません。
OSではカーネルミキサーのみサポートしています。カーネルモードで動作するため、音声処理の問題はシステム全体に影響をおよぼします。
※Windows XPはWASAPIに対応していませんが、ASIOに対応したドライバー(ASIO4Allなど)を使用することにより、カーネルミキサーを使わず再生することができます。ただし、再生ソフトがそのドライバーに対応している必要があります。
- ●Windows Media Player
オーディオエンジン(カーネルミキサー)固定。WASAPIには対応していません。 - ●iTunes
WASAPIは共有モードのみ対応。 - ●foobar2000
コンポーネントのインストールすることで、WASAPI排他モードに対応可能です。
(設定については、2-3.foobar2000のすすめ(Windows)でご紹介します)